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経済同友会からのメッセージ

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理科教育と理科教育学の成果に期待

公益社団法人 経済同友会 副代表幹事
ウシオ電機株式会社 代表取締役社長
菅田 史朗

 我が国は、少子高齢化、地球温暖化等への対応、さらには大震災からの復興など様々な問題に直面しています。こうした課題を解決する上で重要な役割を果たすのが、科学技術とそれを担う人材です。しかしながら、理科系人材が質・量ともに不足し、最近はそれに拍車がかかりつつあるというのが経営者としての実感です。
 子供たちは本来、身の回りの自然や理科に対して強い興味・関心を持っていますが、中学生の頃から“理科離れ”が顕著になってくるといわれています。その意味で、サイエンススタジオCHIBAは、中学生や高校生が大学の研究機器を活用した実験や、大学の教員や院生・学部生の指導を通して刺激を受ける非常に良い機会を提供されています。さらに、理学、工学、生命科学などの教員だけでなく、文系教員も参加されて科学者育成に取り組んでいることは、特長的であり、大変期待が持てます。
 実際、開始から数年間で受講生から生物オリンピック日本代表が選出されたり、受講生の研究成果が多数表彰されるなど、早くも理科教育の成果が上がっていることは特筆すべきことです。また、講座運営により蓄積が進みつつある経験・ノウハウを分析・研究し、理科教育学をより進化させることは非常に重要です。

 経済同友会は、企業経営者が個人の資格で参画し、国民経済的な観点から議論し政策提言を行っています。理科系人材について本会は、質・量ともに大きな危機感を抱いていますが、その解決策として、質的課題に対しては学力向上と才能発掘、量的課題に対しては人材の裾野の拡大を提言しています。世界へと目を向け更なる活動の展開を目指すサイエンススタジオCHIBAが、理科教育と理科教育学のさらなる成果を創出し、科学技術を担う人材の問題解消への大きな一助となることを期待しています。


 今後も千葉大学は若者の夢と才能を支援していきます。 科学の世界を、ともに楽しみましょう。